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なぜ、日本には<反日日本人>がたくさんいるのか 前編

 100人いれば100通りの歴史観がある、という。その通りだ。同じ国の人間でも、過去の見方、考え方は人それぞれに異なる。でも、それがじつは自分自身の考えではなく、ある機関にコントロールされたものだったらどうなるか。

 2011年5月30日から6月14日にかけ、最高裁はいわゆる「君が代論争」に終止符を打った。学校の卒業式で国旗に向かって起立し、国家を斉唱するよう教師に命じた校長の職務命令は憲法に違反しない、という判断を計3回にわたって示した。

 日の丸に敬意を払わない、君が代を歌わない。生徒にとっても保護者にとっても学校生活でいちばん重要な儀式に、こんな教師がいたらたまらない。国旗・国家法が成立した1999年から11年間に、この問題で懲戒処分や訓告を受けた教職員は、全国でのべ1239人もいるという。

 こんなばかげた国は他にない。なぜ、そんな<反日日本人>としか呼べないような教師がたくさんいるのか。

 マスメディアは最高裁判決を大きなニュースとして伝えたが、反日教師がいる本当の理由を指摘したものは見当たらなかった。日の丸・君が代を軍国主義や戦前の天皇制絶対主義のシンボルとみなし、平和主義や国民主権とは相容れないと考えている人びとがいる、という程度しか触れていない。

 日の丸・君が代裁判の原告である元東京都立高校の教師(64)は、敗訴が確定したのを受けこう語っている。「日の丸を愛することが国を愛することだという短絡的な思考は日本の文化を滅ぼす」。こんなばかげた言葉をわざわざ大きくとりあげているのは、やっぱり、左翼えせ平和主義からいまも脱却できない朝日新聞だ。だから読者離れがすすむ。

 この裁判から、少なくともふたつのことが言える。まず、日の丸・君が代に反対してきた勢力の大半は、公立学校の教師であるという事実だ。市民の血税で暮らしている身分なのに、その境遇に甘え、こともあろうに教育の場で個人の思想信条をアピールする不埒さに、彼らは気づいていない。反対なら職を辞したうえで態度を表明すべきだろう。

 学校教師というのは、はっきり言って、中途半端な知識層だ。深い学識もなく、柔軟な発想にも欠け、他者に洗脳されやすい傾向がある。

 そして、じっさいに「短絡的な思考」をしているのは誰のほうか、ということだ。

 ぼくが2001年に上梓した『<戦争責任>とは何か 清算されなかったドイツの過去』(中公新書)から、2点を簡単にふれておく。

 日の丸は、『続日本起』701年(大宝元年)正月条に記されているのが最初であり、のちに朱印船に掲げられるなど、次第に日本という国の象徴となっていった。君が代の歌詞は平安初期の『古今和歌集』に由来する。つまりどちらも1200、1300年の歴史を持つ。

 軍国主義や天皇制絶対主義のシンボルとなったとしても、長い時間のほんのわずかの期間にすぎない。学校で歴史を教えるときには、縄文、弥生時代までさかのぼるくせに、こと日の丸・君が代に限っては近現代史だけであれこれ言う。しかも、日の丸・君が代がとくに明治期以降、国民の一体化、近代化にどれだけ貢献してきたか、という視点がない。

 さらに重要なことがある。日本の軍国主義や侵略戦争を絶対悪とするのは、<反日日本人>のオリジナルではない、という事実だ。第2次大戦後、日本を占領統治したGHQは、戦争についての罪悪感を日本人の心に植えつけるための宣伝計画を実行した。それは、“War Guilt Information Program”(WGIP)と呼ばれている。まともな歴史家なら誰でも知っていることだ。

 <反日日本人>の日教組や教師は、みごとにその計画にはまった。ナンセンスな“反日闘争”で、戦後65年を過ぎた現在まで、教育現場を混乱させてきた。彼らは、GHQ占領政策をはじめ日本の歴史を、虚心坦懐に勉強しなおさなければならない。

 日の丸・君が代問題は、日本が第2次大戦に負けたことから由来している。それでは、2大敗戦国のもう一方であるドイツではどうか。

 ヒトラー時代の国旗『カギ十字旗』は、終戦後間もなく占領軍によって禁止された。ドイツでは、いまも刑法で使用が禁じられている。あの旗は、オーストリア生まれの成り上がり者ヒトラーが制定しただけに、ドイツ人はさっさと切り捨てた。現在用いられている黒赤金のドイツ国旗は、ヴァイマール共和国で正式に国旗とされたものを、戦後、復活させたのだった。

 だが、ドイツでも、国歌『ドイツの歌』は君が代とそっくりの問題を抱えていた。日本では『世界に冠たるドイツ』というタイトルで知られ、やはりヴァイマール共和国で正式に国歌とされた。ヒトラーはこれを引き継ぎ、第三帝国のシンボルとして国民を戦争などへ駆り立てた。終戦直後、連合国はこの歌を禁止したが、国民の支持は根強く、1952年、西ドイツの正式な国歌とされた。ただ、歌詞の1番と2番には問題があり、公式には3番だけを歌うことになっている。

 ドイツであれどこであれ、祖国の歴史と伝統を切り捨てることなどできはしない。<反日日本人>教師らは、目をもっと長い歴史や世界に向け、洗脳を解く努力をし、深く反省し、本来の教育に心血を注ぐべきではないか。

 --毎週木曜日に更新--

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