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2012年4月

あなたは献血NG、だなんてふざけるな

 24歳の息子が、久しぶりに実家へ帰ってきた。「たまたま新宿の紀伊国屋書店のとなりに献血ルームがあったから、献血してきた。飲み物やアイスクリームもあるし、注射がちょっと痛いのをがまんすれば快適だよ」

 たしかに、最近の献血ルームではいろんなサービスが行われているらしい。ちょっと前だが、千葉県柏市の「柏献血ルーム」では、2010年1月中旬から2月初めまでの火、水曜日、献血者を対象に占いサービスを行った。占い師はそごう柏店で営業するプロで、四柱推命や手相、タロット占い、姓名判断などを体験できるというふれこみだった。 その効果は絶大で、「献血後に占いを待つ人が後を絶たない」状況だったそうだ。

 少子高齢化で血液の需要は増えているのに若い人たちの献血が減少しているらしい。とくに東日本大震災の後、被災した福島、宮城、岩手の3県では献血をする人が20%前後から30%も減り、輸血用の血液が足りなくて困っているという。

 だから、献血をするのは結構なことだ。わが夫婦も、献血ルームの近くを通りがかったとき時間があれば立ち寄った。

 しかし、それも家族でドイツへ赴任するまでのことだった。1997年3月に日本へ帰り、国際引っ越しの荷物も少し片づいたころ、池袋東口の献血ルームへ行った。そのとき、アンケート用紙を渡され、深い考えも持たずありのままにドイツ駐在のことを記入した。すると、担当の医師に「残念ですが、献血はしてもらえません」と言われた。

 突然のことで、ガーンという感じだった。健康なのになんで? 40歳くらいの男性医師が言うには、ぼくたちのドイツ居住歴が献血条件に合わないのだという。

 日本赤十字社のウェブサイトには「献血をご遠慮いただく場合」というのがある。

 <心臓病、悪性腫瘍、脳卒中など特定の病気にかかったことのある方><服薬中、妊娠中、授乳中、発熱などの方><エイズ、肝炎などのウイルス保有者、またはそれと疑われる方>

 まあ、こういう人は献血を遠慮してもらうというか、はっきり言って「お断り」なのは当然で、納得できる。

 <海外旅行者及び海外で生活した方>という項目もあり、わが夫婦はこれにひっかかったらしい。子どもたちはまだ小さかったから対象外だった。

 <海外からの帰国日(入国日)当日から4週間以内の方は、ご遠慮いただいております>。旅行先の国でウイルスなどの感染しているリスクがあるためだそうだ。海外と言ってもいろいろあるが、日本より衛生観念の高いドイツから帰って数か月になるのにだめなのか、と思うとそんな理由ではなかった。

  ぼくたちは、牛海綿状脳症(BSE)、いわゆる狂牛病に血が汚染されている可能性があるから献血はできないのだという。まあ、たしかにヨーロッパではBSEで大騒ぎとなり、ぼく自身、それについての記事を書いたこともある。イギリスが変異型クロイツフェルト・ヤコブ病発生の中心地で、それと狂牛病の関係が専門家のあいだで取沙汰されていた。

 というわけで<安全が確認されるまでの間、BSEが発生している下記の欧州諸国に滞在(居住)された方の献血をご遠慮いただいています>としている。

 <アイルランド、イタリア、ドイツなど9か国に、昭和55年(1980年)から平成16年(2004年)までに通算6か月以上の滞在(居住)歴のある方>

 これを知って、なんだかいやーな感じがした。じゃあ、5か月と29日の居住ならいいのか、と言いたくもなる。ことは血の問題だけに、ヒトラー率いるナチスが法律で「ユダヤ人の定義」をしたいまわしい出来事を連想した。

 ヨーロッパには、昔から反ユダヤ主義が根強くあった。そうした背景があるにせよ、ヒトラーらは、ユダヤ人を毛嫌いして段階的に迫害し、ついにはアウシュビッツのガス室に送るなどして大量殺戮した。

 それらは、ナチ政権下の法律によって遂行された。法律である以上、どんな人物をユダヤ人とするか、が問題となった。1935年9月15日に可決された法律によるユダヤ人の定義は次のようなものだ。

 1.祖父母にさかのぼり,4人の祖父母のうち3人がユダヤ教徒の場合はユダヤ人とする。この場合,両親の宗教は問わない
 2.祖父母のいずれか2人がユダヤ教徒で本人も同様の場合はユダヤ人とする。※信仰していないと1親等ユダヤ系混血児とされる

 以下は略すが、かなりややこしい。ナチスは本来,ユダヤ人を血統的なもの、つまり人種として扱ってきたが、この法律では宗教の属性によって分けている。ひと言で言えばナンセンスだ。

 献血の条件も、ユダヤ人の定義とどこがちがうのだろう。日本赤十字社にもお役所的発想の事なかれ主義がみられる。万が一にも狂牛病が国内で発生すれば、「除外規定を設けてはいたんですが」と言い逃れをするために。

 うちの息子はどうやって献血条件の網をかいくぐったのか。答えは明快だった。「ドイツ居住歴なんか書かなかったんだもの」

 --毎週木曜日に更新--

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レバ刺しと消費増税ヒステリー

 「レバ刺し」が、2012年6月にも法で禁止される見通しとなった。ふざけんな厚労省という怒りはふつふつと湧き上がり、かみさんと急きょ、いきつけの焼肉店『Wちゃん』へ行った。

 この店の和牛レバ刺しは739円で、文句なしに絶品だ。量もふたりで軽く食べるのにちょうどいい。特製塩だれの焼きホルモン類も捨てがたいが、まずはレバ刺しだ。いつも岩塩入りのごま油で食べる。

 「レバ刺しが禁止になったら、どうするんですか?」。マスターに聞いてみた。「痛いところですねぇ。お客さんの大半が注文してくれるドル箱ですから。まあ、様子を見て、売り上げに大きく響くようなら“裏”で出すことになるかも」

 生レバーをはじめWちゃんの肉は、特殊なルートから仕入れる特上品だ。ミノの刺身など珍しいものもあるが、いずれも食中毒には万全の注意を払っている。

 厚労省が庶民のささやかな楽しみであるレバ刺しに目をつけた直接のきっかけは、2011年4月の食中毒事件だ。焼肉チェーン店でユッケを食べた5人が死亡した。牛の肝臓の内部にも食中毒の原因菌がいることがわかり、厚労省はその年の7月6日にレバ刺しの提供を「自粛」するよう通達を出した。それでも、多くの焼肉店はレバ刺しを出しつづけた。

 ところが、一部の牛の肝臓からOー157が検出され、ついにレバ刺しを法律で禁止することになった。違反すれば2年以下の懲役などが科される。

 厚労省の基準審査課は、あるメディアにこう話している。「自粛を要請した昨年7月以降、4件も食中毒が出ており、今のところ規制以外に防止策はないと考えています」

 ちょっと待ってくれ。9か月のあいだに全国で「4件も」じゃなく、たった「4件しか」生レバーでの食中毒は報告されていないというのだ。それも、死者などが出たわけではないらしい。

 もし、そんなデータでレバ刺しを禁止するというなら、牡蠣の生食なんかはどうなんだ。ある医師は言っていた。「牡蠣は約1%の確率で当たるから、翌日に大事な予定があるときはやめておいたほうがいい」

 生レバーの法規制なんて、官僚のことなかれ主義以外の何ものでもない。禁止してるんだから闇で食って当たっても役所に責任はないよ、と。

 メディアはこれにどんな反応をみせたか。読売は厚労省の方針を発表文のまま短く伝えただけだ。朝日は、社会面で焼肉店の反発の声も一応とりあげた。「食べたい人だけが食べているのだから、禁止はやりすぎ。放っておいてほしい」「販売禁止は死刑宣告に近い」。レバ刺しが禁止されると、業界での損失が約300億円にも上るという。

 メディアのなかで一番姿勢がはっきりしていたのは、珍しく日経新聞だった。会社の偉いさんがレバ刺しファンなのかどうか、4月4日付社説で「『レバ刺し禁止令』の愚かしさ」と題し論陣を張った。

 <こうも短絡的な『禁止令』がまかり通っていいのだろうか。…1998年以降の食中毒事例は年間10件ほどだ>
 <ただ1つの事業者が引き起こした不祥事を機に『官』による規制が際限なく広がる、 典型的なパターンだろう。耐震偽装事件のあと、建築基準法が強化され、業界を萎縮させたのと同じだ>
 <抵抗力の弱い子どもや高齢者には肉や魚の生食をさせない。ルールを守らない事業者は個々に処分する。禁止令の前に、やることがあろう>

 信濃毎日新聞も5日付社説で問を投げかけた。<納得を得られないまま禁止すれば、店が『裏のメニュー』として出すことにもなりかねない>

 明治以来の日本は、官僚独裁国家だと言われる。いまの野田政権など官僚カイライ政権以外の何ものでもない。そして、独裁体制にほとんど立ち向かうこともしないのが、日本のマスメディアだ。ネットの世界で「マスコミならぬマスゴミ」と揶揄されるのも、新聞記者出身のぼくとしては、ごもっともだと思う。

 財務省が主導し、官僚カイライ野田政権が血道をあげている消費増税は、レバ刺し問題の比じゃない。マスメディアがこぞってプロパガンダ役になっている。

 「社会保障・税の一体改革」などともっともらしいキャッチフレーズを財務省は掲げ、首相もマスメディアも大合唱している。しかし、「増税分の全額を社会保障の財源にする」というのは真っ赤なウソのようだ。半分以上の7兆円は、借金である国債の償還に充てる。社会保障の充実に使われるのはわずか2.7兆円で、しかもそのうち年金制度の改善に使われるのは0.6兆円に過ぎない。

 公共事業の単価は民間よりかなり割高で、それを削ればいま増税なんて必要ない、とも言われる。民主党はド素人集団だから、官僚を説き伏せ公共事業の実態に切り込むことができなかった。

 嗚呼、マスメディアは消費税問題もレバ刺し問題も、一度、原点にもどさせるよう論陣を張るべきでないか。お上にはさからわない、人民日報や朝鮮中央通信みたいなマスメディアならないほうがいい。うっぷんは、闇のレバ刺しでも食べてはらすことにしようか。

 --毎週木曜日に更新-

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受験生は読まないほうが無難だが 『宇宙に外側はあるか』

 ε-δ (イプシロン‐デルタ)論法というものがある。ぼくは、大学は文系だが高校時代は理系だった。高校2年の冬、クラスでは数学の教科書がとっくに終わってしまい、担任でもある数学のA先生は言った。「ちょっと早いかもしれないが、大学の数学科で習う《関数の極限の定理》について教えてあげよう」

 それが、ε-δ 論法だった。高校の数学では微分と積分を習う。しかし、それは厳密な定義や論理を省略して教えられており、解析学としてきちんと基礎を体系づけるのがこの論法だ、と先生は説明してくれたように記憶している。

 黒板に見慣れない数式を書き連ね、口角泡を飛ばして授業する先生の迫力に押され、ぼくはその論法が理解できたように思った。クラスの大半は「うーん、むずかしい」とうなっていたが。

 しかし、それからがぼくにとっては大変だった。やがて春休みに入り、そろそろ大学入試のための勉強に本腰を入れなければならないのに、ぼくの頭のなかではε-δ 論法の数式が飛び交って消えなかった。

 春休みを利用して、おなじ部活の男女数人で東洋一の高さの灯台がある出雲の日御碕へ遊びにいったのだが、ぼくは友だちとまったく会話できなかった。いま考えれば、一種のうつ状態になっていたのかもしれない。ぼくが岬から日本海へ飛び込むのじゃないか、と友人らはずいぶん心配したと後で聞いた。

 何かひとつのことを考えつめるというのは、かくのごとく恐いものだ。『宇宙に外側はあるか』(松原隆彦著、光文社新書)を読んで、あの春休みのつらい日々を思い出した。

 この本は、タイトルから想像されるとおり宇宙について書いている。<なぜ、宇宙は存在するのか、と考えたことはありますか。…現代の宇宙論は、そんな大それた疑問にも科学的な答えを見つけようと、少しずつではありますが歩みを進めています>

 本の前半は、ふつうの宇宙論本と大差ない。われわれが認識できるのは縦・横・高さの空間に時間をあわせた4次元だが、ストリング理論(超ひも理論)では10次元あると考え、M理論では11次元と考えられていることなどを紹介する。宇宙論のおさらいと言ってもいいかもしれない。

 <この宇宙を生み出す土壌ともいうべき「無」には時間という存在はなく、空間や物質などとともに時間も一緒に現われ出てきたということになります>

 <この考えに立つと、宇宙の始まる前に何があったかを問うことはちょうど、地球上で南極よりも南に何があるかを問うようなものです>

 南極よりも南に何があるかという発想は、地球が丸い、つまり3次元であると知っている現代の人類には意味がない。でも、人類はせいぜい4次元までしか認識できないから、宇宙の始まる前に何があったかとつい疑問を抱いてしまうのだろう。

 では、宇宙はいくつあるか。ストリング理論、M理論とも、当初はこの宇宙を唯一絶対の存在として想定していたそうだ。しかし、研究、推論を進めると、逆に、膨大な種類の宇宙があり得るという可能性が導かれた。<論理的に可能な宇宙の数は、1兆を41回1兆倍して、さらに1億倍したほどの数(10の500乗)ほどもあるといいます>

 宇宙Universeに対して多宇宙Multiverseという考え方がうまれた。欠点は、それをあるかどうかを確かめる手段が、いまのところ見当たらないことだ。

 とほうもない話だが、まあ何となく理解できなくもない。だが、本の後半はほとんど哲学書となり、受験生などには“危険水域”になってくる。

 <現在は次々と過去になっていき、現在は次々と未来からやってきます。未来が過去へと押し流されている、その境目が現在だというように感じます。このような感覚は明らかに、私たちが現在という時間しか一度に認識できないことから来ています>

 著者によれば、物理学において時間は単にラベルのようなもので、出来事の順序を表す数字にすぎず、現在、過去、未来という絶対的な区別はない。<人間がこの世界を論理的に把握して生き抜いていくために、そういう概念を作り上げているのかもしれない>

 この世がどうなっているか、宇宙がどうなっているかというのは、個々人の認識の問題になってくるらしい。つまり、主観の問題であり古典哲学に回帰する。

 著者は問いかける。<あなたは次のどの段階まで「存在する」と言えると思いますか>

 ①自分の目で実際に見ることのできる宇宙の範囲 ②人類がこれまでに観測したことがある宇宙の範囲 ③まだ人類には観測されていないが、原理的には観測できる宇宙の範囲――これが⑦論理的に存在不可能な別の宇宙、まであげられている。

 この本を熟読して、「群盲象を撫ず」という言葉を連想した。目の見えない大勢の人びとが象を撫で、ああだこうだと象の姿を主張して互いに譲らなかったという故事だ。宇宙という象はあまりに大きく複雑怪奇で、触っても匂いを嗅いでも全体像など想像を超える。

 ちなみに、数学教育界では高校でε-δ 論法を教えるべきだとする意見が根強い一方、大学ですら不要とする意見もあるという。まあ、高校ではやめておいたほうが無難だが、あえて挑戦させる教育もありか。

 この本なども、“禁書”にしないで、若者が大いに考え悩むのがいいかもしれない。

 --毎週木曜日に更新--

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未明に月1回、傑作なサッカー番組をやっている

 「俺だッ、俺だッ、俺だッ!」。お笑いコンビ・タカアンドトシのタカが、両手で拳を作り、親指を突き出して自分の顔のほうに何度も動かす。あの人気のギャグを、オランダのピッチでやったプロサッカー選手がいる。

 オランダリーグ・VVVフェンロでセンターバックとして活躍する吉田麻也選手(23)だ。2012年2月18日、コーナーキックからヘディングで自身の今季3点目をあげると、ベンチの仲間に駆け寄りギャグを繰り出した。

 そのシーンを放送したのは、4月1日午前2時30分からの日本テレビ系『タカアンドトシ&城彰二の「月刊サッカーアース」』だった。未明の1時間番組で、ぼくはいつも録画して観る。特にこの回は、ぼくが今年に入って観た全テレビ番組でも最高傑作だった。

 数あるサッカー番組のなかでも日本で唯一、月1回だけ放映する。かつて、日本を代表する月刊誌『文藝春秋』の編集長に聞いたことがある。「ニュースの行方を読み、企画に知恵をしぼってしぼって絞り出し、へとへとになるから、任期は2年が限度」

 サッカーも、毎週のリーグ戦をベースにチャンピオンズリーグやカップ戦があり、情勢は時々刻々と変化する。ひと月に一度という番組作りは大変だと思う。

 サッカーアースは、それを承知で勝負をしている。数々の仕掛けがあって、特にサッカーにお笑いをかけあわせたところが斬新だ。

 MCをタカアンドトシが務めている。タカが突然、「俺だッ、俺だッ、俺だッ!」などとギャグをかましてムードを高め、トシがかるく突っ込みながら、番組は進行していく。

 そこへ、解説役の元サッカー日本代表ストライカー城彰二さんが、おとぼけを入れながら絡み合っていく。「城さんって、あんなキャラだっけ?」と思わせるほど、この番組に出るようになってからはじけた感がある。

 マスコットガールの『non-no』専属モデル佐藤ありさちゃん(23)も、おとぼけとちょっとしたお色気をただよわせ、サッカー談義をガールズトークに持って行く。

 そして、最大のユニークさは、「サッカーアース欧州組広報部長」を自称する吉田選手だろう。パソコンのカメラに向かい自宅で収録したVTRで、堂々“レギュラー出演”する。

 「俺だッ、俺だッ、俺だッ!」のギャグは、以前、「ゴールを決めたらやります」と約束していたものだ。番組では、そのシーンをスローで再生し、ナレーションが盛り上げた。「…そして歴史的瞬間が訪れる。ギャグは伝道師によって世界へはばたいた」

 吉田選手本人によると、チームのミーティングでもその映像が流され、「あれはなんだ?」とチームメイトに突っ込まれた。「いま日本でもっとも人気があるコメディアンの有名なジョークだよ」と説明したが、「みんなにはメチャクチャ馬鹿にされました↓」

 だから今度は、ザックJAPANの試合でゴールを決めて「俺だッ、俺だッ、俺だッ!」をやると約束した。いわゆる<サッカー調子のり世代>の代表でもある彼なら、ほんとにやっちゃうだろう。なでしこJAPANじゃないが、サッカーは楽しくやらなくちゃ。

 4月1日放送回の目玉は、英プレミアリーグのボルトンで、1部リーグ残留争いの救世主となっている宮市亮選手(19)の特集だった。トシが「いまわれわれが一番見たい選手」と言うまでもなく、最大の注目株だ。ぼくがチェックしているかぎり、他の番組に先駆けての特集となり、実に興味深い。

 名将ヴェンゲル監督に才能を見いだされ、高校在学中に名門アーセナルと契約した。いまはボルトンにレンタル移籍している。3月17日には英紙で1ページ全面をつぶした特集記事が組まれ、「(俊足で鳴らす)ウォルコットより速い」と大絶賛されたという。

 ありさちゃんは「イケメンだし、カッコいいし、かわいい」とガールズトーク丸出しだ。

 英紙によると、宮市は100メートル10秒6という。では、J2ガイナーレ鳥取の野人・岡野雅行選手(39)とどっちが速いか、という話になる。野人がVTRで登場し、訳のわからないことを言ってうそぶいた。「大学時代、寝起きにバスケットシューズで走って10秒8だった。全盛期だったら、負ける気がしない。野人は負けられない」

 それなら、J1名古屋グランパスの永井謙佑選手も呼んで、番組で現役3人のスピード比べをやったら面白い。

 宮市特集で、[実はスピードより○○力がすごい]というクイズが出されると、タカは「長州力がすごい」とトボけた。トシがすかさず「プロレスラーか! 文章としておかしいだろ」と突っ込む。正解は「吸収力」。

 中学時代のチームメイトは証言する。「各世代の日本代表にコンスタントに選ばれていて、そこで上手い選手からいろんなことを吸収し、成長してチームに帰ってきた」

 超高校級ストライカーの弟・剛君(16)は、「すごいわがまま。ねぎと玉ねぎが大きらいで絶対食べない」とばらした。まあいいじゃないか。中田英寿氏も野菜嫌いだった。

 高校時代の親友は、「女の子としゃべっていると、顔が赤くなって汗が出てしまうぐらい恥ずかしがり屋」ながら「超男気がある男」だと語った。ありさちゃんは「そういうタイプに女子は弱い。わたし、やられちゃう」。番組スタッフは、わざわざ「ありさ23歳」とテロップを出した。お姉さんもメロメロにするスター性がある。

 この番組は、サポーターはもちろん、非サポーターも必見だ。

 --毎週木曜日に更新--

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