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もはや<サッカー道>だ  ロンドンのなでしこJAPAN

 ロンドン五輪女子サッカー決勝。負けた瞬間、泣き崩れていたなでしこJAPANの面々も、ジャージに着替え表彰式に現われたときにはすっかり笑顔になっていて安心した。

  前半25分、MF宮間あや選手がフリーキック(FK)を蹴った。直後、なでしこの全選手は、一斉に手を挙げてハンドをアピールした。リプレーが映し出されると、ペナルティエリア内で「壁」に入っていたMFヒース選手が、左腕と左太ももでボールを止めている。

 だが、ドイツ人女性のシュタインハウス主審は試合を流し、0対1で前半が終わった。

 J-CASTニュースの記事はこう伝えている。

 <米「USAトゥデー」紙電子版では各選手の活躍を称える一方で、「最も重要なプレーとなったのは、ヒース選手のハンドだった」と伝えた。「まぎれもないファール」で、反則裁定が下っていたら日本にPKが与えられて同点に追いつかれていたかもしれない、という。さらに、この日2ゴールを決めた米MFロイド選手が「あれは明らかにハンドだった。彼女(ヒース選手)の腕に当たっていた」と語ったことに触れている。>

 共同通信によると、主審の出身国であるドイツの主要紙「ディ・ヴェルト」電子版は「シュタインハウス、決勝で失敗」という見出しでハンドの見逃しを批判した。

 後半早々の1分、またも相手ゴール左から宮間選手がFKを蹴った。DF熊谷紗希選手がボールの軌道に飛び込んだが、ビューラー選手が背後から両手で抱きかかえ引き倒した。

 ぼくは、ロンドン五輪の数々の試合のうち、このなでしこ決勝戦だけは録画していた。再生すると、おそらくレッドカード一発退場のプレーだったが、このときも主審は流した。

 なでしこはPKの2点をもらって、かつ、相手が少ない状況で有利になるところだった。

 熊谷選手を妨害したシーンは、ひょっとすると主審の死角になっていたかもしれない。でも、ハンドは主審の目の前で起きている。

 後半28分には、アメリカゴール前の混戦で日本のキーパーチャージを取った。誰もGKには接触していないのに。試合を通じて、日本に有利になる判定は一度もなかった。

 ドイツ人の主審は、なぜあんなひどい笛を吹いたのだろう。2011年の女子W杯決勝でも主審を務め「世界最高の女性審判」と称えられている人物だそうだが。

 目の前のファウルをミスで見落としたのなら、オリンピックの決勝で笛を吹くのにふさわしい器ではない。

 ふたつの決定的ファウルを意図的に認めなかった可能性も捨てきれない。その場合、何が理由だろう。女子W杯でドイツがなでしこに敗れ、ロンドン五輪への出場資格を失ったことへの逆恨みだろうか。

 ロンドン五輪では、誤審、疑惑の判定が相次いだ。

 特にひどかったのは、柔道男子66キロ級で海老沼匡選手と韓国のチョ・ジュンホ選手が戦った準々決勝だった。延長戦でも決着せず旗判定となり、審判3人とも韓国側の「青旗」を掲げた。しかし、場内からは大ブーイングが起き、審判委員(ジュリー)からの異議が出て旗判定をやり直し、海老沼選手の勝ちとなった。

 これについて、韓国のメディアはヒステリックに報道した。「柔道の祖国日本による想像しがたい力が働いたということだろう」。ニュースサイト「ノーカットニュース」は、「日本の観衆のヤジに、再び集まった審判団が180度立場を変えた」とした。加えて、海老沼選手がインタビューに対して、「判定が変わったのは間違っている」「チョ選手の勝ちが正しい」などと語ったとした。

 もちろん、海老沼選手がそんな発言をするわけはない。韓国では例の「ウリジナル」にみるように、こういう与太ニュースが事実として受け止められてしまう風土がある。

 試合では、海老沼選手が「有効」を一度取りながら取り消されていた。判定に影響するのはこの一点だけのはずだったが、3人の審判は試合終盤のチョ選手の動きに引きずられる形で「青旗」を挙げた。審判委員(ジュリー)がビデオを見返したうえで判定を変えるよう指導したのは、当然だった。

 韓国のネット上には「日本が審判を買収していたのではないか」と書いた者がいたという。それは、柔道の何たるかを知らないたわごとだ。

 柔道はたんなるスポーツではなく、勝てばいいというものではない。華道がたんなるフラワーアレンジメントではなく、茶道がティーセレモニーとは微妙にちがうのと同様、「道」は人の生き方そのものだ。

 フランスの柔道人口は、発祥国日本の2・5倍、50万人にものぼる。親が子どもに柔道を習わせたがる最大の動機は、意外にも「礼儀を教えてもらうため」だそうだ。

 日本の柔道家に「審判買収」の発想などみじんもないことは明らかだ。なぜなら、それは柔「道」だからだ。

 佐々木則夫監督は、なでしこたちに「アピールはしても、クレームはつけるな」と指導してきたという。決勝戦後の会見で、監督は疑惑の判定について質問され、こう答えた。

 「何のことでしたっけ」ととぼけ「主審が何を見ていたかは分かりませんが、私は主審の判定を尊重します」

 これぞ、サッカー道ではないか。韓国人にはその価値感がわからないかもしれないが。

 --毎週木曜日に更新--

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