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世界の嫌われ者と気づかない中国

 新聞・雑誌であれネット上のニュースサイトであれ、見出しを目にしただけで吹き出してしまう記事など、そうあるものじゃない。テーマやタイミング、背景、状況といったものが、よっぽどうまく合わなければ、笑いは生まれない。

 中国メディアをウォッチしているサイト『サーチナ』の、2013年 1月17日の記事には、思わず笑わせられた。こんな見出しだった。

 <我が国はなぜ周辺国と「近いのに親しくない」のか=中国メディア>

 中国という国は周辺国と親しくしたいと思っている、ということだ。好かれたい愛されたい、というのだ。正直言って、ぼくは、かの大国の人がそんな気持ちを抱えているとは、まったく想像もしていなかった。

 クラスのとんでもないいじめっ子なのに、その自覚がまるでない。『ドラえもん』のジャイアンなら可愛げがありどこか憎めないが、国際社会での中国の振る舞いに可愛げな面などまったくない。

 “お笑い記事”を大真面目に載せたのは、新華社通信のウェブサイト『新華網』だった。「中国と周辺諸国との『近いのに親しくない』状態を、なぜ解決することができないのか」とする専門家の評論記事を掲載し、その日のうちにサーチナが取り上げた。

 専門家として評論を書いたのは、中国公共外交協会の宋栄華・事務局長という人物だ。中国は陸上で14、海上で6つの国と隣りあい、そのうち多くの国にとって中国が最大の貿易パートナーとなっている。それなのに、というわけだ。

 「建国以降、善隣友好を旨とする対周辺国対策を続けてきたにもかかわらず、日本、ベトナム、フィリピン、モンゴル、ミャンマー、インドなど周辺国と『近いのに親しくない』状態が一向に解決できないのはなぜか」

 中国が善隣友好の外交政策を取ってきたというのは、意外に“新鮮な”説だ。

 南沙諸島の領有権をめぐり中国が軍艦を使って威圧的な外交を展開している事実は、アジア諸国のみんなが知っている。中国公共外交協会の事務局長ともあろう人が、そういうことを知らないのだろうか。

 先に台湾へ出張したとき、世界4大博物館のひとつとうたわれる『故宮博物院』へ行った。中国清朝時代などの貴重な宝物がいやというほど展示されている。

 館内には、中国大陸からの団体さんが大挙して押し寄せていた。たくさんの係員が「静粛に」と書いたうちわのようなものを掲げて監視しているにもかかわらず、まったく無視し大声でのし歩く。

 うちわの裏には、カメラ禁止とひと目でわかるイラストが描かれている。それでも、デジタルカメラで堂々と撮影する。

 ぼくの目の前で、シャッターを切りまくっている観光客のおばさんを、清掃係のおばさんが強い口調でたしなめた。すると、カメラのおばさんは、大声をあげて反論した。

 どっちに非があるか言うまでもないが、中国大陸からのおばさんに謝ろうなどという気持ちはまるでない。

 その光景をいっしょに見ていたぼくのかみさんは言った。「うちの会社でも、あんなのはしょっちゅうよ」

 かみさんの職場は、日系ブラジル人、ネパール人、スリランカ人、韓国人など国際色豊かだが、ことあるごとに同僚のひんしゅくを買っているのは中国人だという。

 「自己主張が強く、自己中心的で、他人を恫喝するような物言いをする。同じ中国人でも出身地がちがうと仲が悪いのに、他の国の人と対決するときだけは、中国人でまとまるから始末が悪いのよ」

 故宮博物院でちょっと不快な思いをしたあと、広大な敷地の正面で客待ちをしているタクシーに乗った。「あいつら、まるでマナーがなってない」と、台湾人の運転手さんも大陸中国人の悪口を盛んに話した。

 アジアでの領有権摩擦では、たいてい中国が一方的にけちをつけて外交問題にする。尖閣諸島をめぐっても、本当に根拠があるなら国際司法裁判所に訴えればいい。そうはいかないから、海軍、空軍を動員してわざときな臭くする。

 サーチナの記事によると、宋事務局長は、「(アジア各国が中国に対して)優位に立つために、地域外の力を呼び寄せて中国と争おうとさえするのだ」と論じたそうだ。「地域外の力」というのは、まあ、アメリカのことだろう。

 J-CASTニュースは 1月19日、「死を招く」微細汚染粒子「PM2.5」が中国から日本列島に飛んでくる、というトピックを掲載した。車の排ガスなどに含まれる直径2.5マイクロメートル以下の超微粒子物質が、北京などでは国際基準の3倍近くまで上昇していた。ぜんそくや肺炎の原因となり、中国では死に至った例もあるという。微細なため、マスクでも防ぐのは難しいそうだ。

 社会主義市場経済などという訳のわからない国策で、金もうけにまい進し、環境対策などほったらかしできた。覇権意識丸出しのうえに汚染物質まで世界にまきちらしているのだから、嫌われるのは当然だ。それにまったく気づいていないのは中国人だけだろう。

 --毎週木曜日に更新--

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