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台湾と韓国が戦えば・・・絶対に台湾を応援する

 野球の国・地域別世界一を決めるWBCが、いま、佳境に入りつつある。侍Japanは、アメリカへ乗り込んだ。「地域」という言葉に首をかしげる人もいるかもしれない。要するに、中国が「中国はひとつだ」と言って譲らないので、台湾は「チャイニーズタイペイ」というスポーツ大会用のチーム名で出場した。

 中国関係のニュースサイト『サーチナ』によると、その台湾の応援団の一部が、台中市で行われたWBC1次ラウンドB組の韓国ー台湾戦で、金日成、金正日、金正恩という北朝鮮親子3代独裁者の肖像画を掲げ、韓国を挑発した。

 球場の入り口で配ったチラシには、「棒打高麗」(バットで韓国を打て)という文字があった。一見、何の問題もなさそうだが、実は、中国語圏では、韓国人を「高麗棒子(ガオリー・バンヅ)」と差別的な色合いを帯びた表現をすることもある。「棒打高麗」は、「高麗棒子」に引っ掛けた侮蔑的な言い方だったようだ。

 チラシには、戦車に乗った台湾選手が韓国国旗のはちまきを巻いた韓国選手を踏みつけるイラストも描かれていたそうだ。品のいい話ではない。

 韓国のメディアやネットユーザーが大いに反発したのは、言うまでもない。

 日本では、韓国人の反日感情はよく知られているが、台湾人の反韓・嫌韓感情はあまり知られていない。

 台湾出身で日本の大学で学び、日本で活躍している評論家の黄文雄氏(74)の著作によれば、台湾人と韓国人はとにかくそりが合わないらしい。黄氏自身も、さまざまな個人的体験から、韓国人とは肌が合わないという。韓国社会の外国人差別、地方差別、女性差別などを指摘して、「インドのカースト以上に極端な階級思考」(『WILL』誌2012年11月号)とまで表現している。

 だから、と簡単に結論づけはできないが、台湾と韓国はおなじ日本の植民地だったのに、対日感情も正反対だ。その理由は何なのだろう、と、日本人としては興味がつきない。

 台北とソウルへ行けば、その差は歴然とする。台北は、ああここはかつて日本だったんだな、と思わせる建物や雰囲気がそのまま残っている。ソウルでは、「日帝三十六年」の痕跡は徹底して隠し、有史以来独立した国だったかのような顔をする。

 朝鮮半島は、中国の属国か日本の植民地としての歴史しか持たないとされるが、そのコンプレックスが、民族のDNAみたいになっているのかもしれない。

 読売新聞朝刊は、2013年2月19日、台湾で「日本レトロ」がブームになっているという特集記事を載せた。日本の統治時代(1895~1945年)の日本式家屋を民宿や喫茶店などにリフォームして活用する動きが、台湾全土で広がっているそうだ。

 ここ10数年、脱中国化と台湾人意識の高まりがあり、“日本時代”も台湾史の一部としてポジティブに再評価されているのだという。

 韓国人が旧日本軍や自衛隊を毛嫌いするのに対し、台湾では、旧日本軍宿舎をサロンや喫茶店に衣替えしているというから、その日本愛はすごい。日本の左翼えせ平和主義者だってびっくりだろう。

 特集記事はこう締めくくる。「台湾人には、日本時代を知る老年層の『愛日』や『懐日』から、若年層の『哈日(ハーリー)』(日本のサブカルチャー好き)まで、様々な親日感情が存在する。官民挙げての日本レトロブームは今後も拡大しそうだ」

 第3国のメディアは、台湾の親日ぶりをどうみているのだろう。シンガポールの華字紙『聯合早報』は、3つのポイントをあげ、こう書いている。

 「1つ目の理由は歴史的な要因だ。日本は台湾統治を始める前に西洋文明の洗礼を受けていた。したがって日本による統治によって、台湾は中国よりも早く西洋文明に接する結果となった。これにより、台湾の基礎、文化、制度が中国より進んだものとなり、台湾人も日本が進歩をもたらしたことを認めている」

 「2つ目は文化的要因だ。日本の食文化は台湾に非常に広く浸透している。食文化にかぎらず、ゲーム、アニメ、文学作品、電子機器、AVなど、第二の日本かと思えるほど広まっている。中国は文化的に遅れており、台湾人が好きになるようなものが何もない」

 「3つ目は民度の高さだ。民度の高い国は好感を得やすい。多くの台湾人にとって、日本はアジアの文明国の模範なのだ。多くの台湾人が日本へ旅行に行き、美しい景色のほかに日本の快適さ、清潔さ、文明的な環境に心引かれる」

 一方、サーチナは、3月8日、こんな記事も載せた。

 WBC第2ラウンド日本ー台湾戦が8日、東京で行われることを受け、台湾メディアの『自由時報』は「台湾ー韓国戦の殺伐とした雰囲気とは一変し、日本のファンが東日本大震災における台湾の支援に謝意を示す活動を呼びかけている」と報じた。

 翌日、自由時報はこう書いたという。「試合では双方は敵同士だったが、日本人は台湾民衆の温かい支援に感銘を覚えて感謝し、台湾を応援するプラカードも掲げていた。敵であり友である関係。こんなシーンはおそらく日本―台湾戦でしか見られないだろう」

 男女関係であれ、国同士であれ、好意を持ってくれている相手に好意を持つ。ぼくが台北へ行ってなんとなくしっくりしたのは、それだけの理由があったからだった。

 --毎週木曜日に更新--

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