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真夏の夜の賭け

 友あり 遠方より帰る また楽しからずや

 カンボジアから元陸上自衛隊陸将補の“少将閣下”、谷川保行さんが任務を終え帰国した。池袋で会い、お互いに大好きな日本酒で乾杯した。

 カンボジアの公用語はクメール語で、谷川さんは「チ○ポ」と言いながら乾杯した経験があるという。面白いので念のためヤフーで検索してみると、その言葉は見つからなかったが、こんな旅行記サイトがあった。

 <クメール語で、乾杯を「ジョウモーイ」と言うらしい。 そして、カンボジアでは、何度も乾杯をする。 20回くらい乾杯したので、自然とジョウモーイという単語を覚えた。ちなみに、「ジョイモーイ」と言うと、一晩だけヤルという意味らしいので、発音は、注意しろと教えられた。乾杯する時、間違えたフリして、ジョイモーイと言うと、カンボジア人には、すげーウケたぜ>

  下ネタで盛り上がるのは万国共通だ。われらがザックJAPANのSB長友佑都選手が、イタリアのセリエA・インテルにすぐ溶け込んだ秘訣もそれだったそうだ。

 谷川さんは、『日本地雷処理を支援する会(JMAS)』のカンボジア統括責任者として赴任していた。カンボジアの人びとに地雷処理のノウハウを伝授するのが任務で、実際に指導にあたるのは元自衛隊員だ。他に、不発弾処理や学校、道路、橋、井戸など経済的・社会的なインフラ建設もしている。

 諸外国は財政支援だけだが、JMASはカンボジアCMAC隊員とともに汗をかき指導・助言を行っていて、各方面から高く評価されている。

 谷川さんは、予定よりも早く呼び戻され、JMASの副理事長兼事務局長に就任した。ご栄転ではあるが、細かい経理や人事を扱わなければならず、それはそれで大変らしい。

 JMASはカンボジアのほか、意外にもパラオなどでも活動している。地雷処理と言っても“平和ぼけ”した日本ではピンと来ないかもしれない。でも、紛争や戦争のあった国では、対人地雷で手や足が吹き飛んだ人が少なくない。地雷原には、戦車さえ吹き飛ばす対戦車地雷も埋められていて、国土開発の支障になる。

 それらを取り除くのはその道のプロしかできず、わが国では自衛隊経験者しかいない。危険で大変な任務だが、そういう現場で働く日本人が地道に日本の評価を上げていることを、一般にももっと知ってもらいたい。

 カンボジア式に乾杯をくり返したころ、ぼくはどうしても聞いてみたいことを質問した。

 中国はどうなるか!?

 共産党独裁のもとで腐りに腐っていて、強圧的で不平等な国家への国民の不満もたまりにたまっている。週刊新潮2013年7月25日号によれば、過去5年に汚職で摘発された党員は約67万人いて、ワイロの総額は約3500億円にのぼる。汚職の発生率は日本のおよそ1500倍というすさまじさだ。

 富がどれだけ平等に分配されているかをはかる「ジニ係数」というものがある。0がもっとも平等であり1に近づくほど不平等となる。中国は、四川省の大学の試算で0.61となり、ボツワナやシエラレオネと同じレベルだった。GDPが日本を抜いて世界2位になったと胸を張る中国の実態がそれだ。

 人口が13億数千万人いる中国で、富裕層は50万人程度とされる。つまり、残りの13億人以上は、「社会主義市場経済」というわけのわからないネーミングの経済発展の、蚊帳の外に置かれている。年間の暴動は報道されただけでついに10万件を超えたという。

 谷川さんとぼくは、「中国共産党独裁がこの先長くはもたない」という点では一致した。

 でも、谷川説は「共産党が倒れても、国が分裂し内乱が起こるようなことはない」というものだった。もちろん、個人的な意見ではあるが、なにしろ現役自衛官時代、情報畑で北東アジアの軍事情勢を分析していたひとだけに、それなりの説得力がある。いわば、ソ連共産党と同じような運命をたどる、というソフトランディング論だろう。

 木佐説はこうだ。「一党独裁下の中国は、やかんに水を満たして注ぎ口を閉じ鎖でがんじがらめにして、強火の上に置いたようなものだ。必ず爆発し、人民解放軍は独特の軍閥が表面化して分裂し『三国志』のような時代を迎える」

 昨年発売された『中国権力闘争 共産党三大派閥抗争のいま』(宮崎正弘著)では、江沢民前(元)国家主席が隠然たる力をもつ「上海派」、習近平副主席(現主席)を筆頭格とする党幹部2世グループの「太子党」、胡錦濤(前)国家主席をトップに抱える「団派」の3つが権力闘争を展開しており、いつ波乱が起きるか予断を許さないとする。

 『中国大分裂 改革開放路線の終焉と反動』(長谷川慶太郎著)は、毛沢東回帰派の代表・薄煕来氏が失脚させられ、毛沢東をいまも信奉する人民解放軍の最高幹部たちは強い不満と憤りを抱いているとする。軍と共産党の亀裂が決定的となり、共産党への報復が始まる。そして、中国は7つある軍区同士で内戦状態に陥り、分裂へと突き進むとみる。

 中国分裂の予測は、アメリカの外交雑誌などでも繰り返されている。

 近い将来、結果は出るだろう。谷川さんとぼくは、賭けに勝ったほうが飲み代をおごってもらう約束をしている。

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