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残暑にレッドテープ、よけい体温があがる

 「レッドテープ(red tape)」という英語の言葉がある。辞書によると、「非効率なお役所仕事」のことだ。語源は、1730年代に公文書を結んでいた赤い布のテープから来ているそうだ。特に18世紀のイギリスでは、法律文書などを結ぶのに使い、19世紀になると「お役所仕事」の意味で使われるようになってきた。

 ただでさえ残暑で頭に血が上る季節に、この言葉を思い出した。いま取りかかっている仕事で、『伊豫大洲の古代文化』という書物を探していた。

 まず、ヤフーで検索してみたが、ヒットしなかった。次に、新刊は無理でもひょっとして古本で売りに出てはいないか、アマゾンで調べてみた。そこにもない。

 次に、わが家から2kmほどのW図書館の検索サイトに当たってみたが、やはりない。仕事でよく使う都心の日比谷図書館にあったらいいな、と思いながらサーチしたがだめだ。

 相当、貴重な本ということになる。それじゃあ仕方がない。出向くにはちょっと不便だが国立国会図書館にならさすがにあるだろう。ここでなかった本は、これまでになかった。日本国内で刊行される出版物は、すべて国立国会図書館に納本するよう法律で決まっている。ほぼすべてを網羅した国内最大の図書館だ。

 しかし、その検索サイトでも引っかからなかった。もう存在しないのか。でも、その本のことにちょっとだけ触れたある大学教授の学術本には参考文献として載っているのだから、どこかにはあるはずだ。そこには、幸運にも、ぼくがぜひ原文を読みたい個所が挙げられていた。76、77、81、89ページにあるそうだ。

 国立国会図書館サーチという蔵書検索サイトには[□すべての連携先を検索する]というチェックボックスがある。そこにチェックを入れて再検索すると、1件ヒットした。

 1930年5月に「梁瀬神陵奉讃會編  梁瀬神陵奉讃會 」という何と読めばいいのかわからない奉賛会から出されていることがわかった。

 ここまで調べて、地元のW図書館に自転車で行った。司書カウンターにいたTさんに調べた本を取り寄せて欲しいと申し出た。

 Tさんは「国立国会図書館から取り寄せることはできまずが、戦前の書物はここで閲覧するだけでコピーを取ることはできないはずですよ」という。馬鹿げた話だと内心は思いながらも、最悪の場合はわずか4ページだからノートにメモすればいい、と覚悟した。

 「国立国会図書館の蔵書にその本はないようですね」。Tさんは冷たかった。

 「たしか、[□すべての連携先を検索する]にチェックを入れたらヒットしたんですけど」と押すと、その通りやってくれた。すると書名が現れたが、Tさんは「この本、どこかの図書館にあるはずですけど、どこかわかりませんね」

 しかたがないので、いったん帰宅し、もう一度検索したら、国立国会図書館サーチのサイトの画面の右端に[CiNii Books]というリンクボタンがある。これ何だろうと思ってクリックして開いた画面のずっと下の方に、例の本の蔵書先として京都大学経済学部図書室と高知大学総合情報センター (図書館) 中央館の名前が出てきた。

 これで本がある場所は分かった。念のため、両方の図書館にファックスで書名とページ名を伝え、ファックスまたは郵送、データ添付のいずれかで送って欲しい旨を連絡した。もちろん、必要なコストは払うと書き添えた。メールアドレスが公表されていれば手間もあまりかからないのに、わざわざファックスを使わざるを得ない。

 20~30分後には両大学からファックスで返事が来た。京大からは、「最寄りの図書館経由で複写を送る」と言ってきた。こちらのメールアドレスも書いているのに、わざわざパソコンで書いた返事を印刷してファックスして来たわけだ。その手間と電話代は税金から出ている。

 夕方だったので今度はウォーキングがてら、もう一度W図書館へ行った。Tさんに京大からのファックスを見せ、「複写を受け取って連絡して欲しい」と言うと、「手続きがわからないから係長に聞いてきます」と頼りない。結局、「電話で京大図書館に問い合わせて電話します」という。

 それから何日経っても電話は来なかった。こちらからかけると「よくわからないので、もう一度京大に電話してみます」。ほんとにお役所仕事だ。

 高知大学のほうは、「複写料と郵送料計225円を現金書留で送っていただければ、自宅へ郵送します」とあったので、こっちが手っ取り早い。郵便局へ行き、現金封筒を20円で買い、コインと手紙を入れて窓口へ出すと、郵送料が510円かかった! 1万円以内の現金送料(特殊扱い)が420円、それに第一種定型郵便代が90円だという。コインだから重さがあるためだった。

 いまどき、こんなことをしている民間会社があるだろうか。図書館も手紙を印刷してファックスするくらいなら、さっさと該当ページを送った方がよほど手間とコストがかからない。せめて、コストを切手で送ればいいようにして欲しい。そうすれば、こちらからの送料は80円ですむ。

 国立大学法人をふくめお役所というのは、無理矢理仕事を作り出して、“みなさまの血税”を無駄遣いしているとしか思えない。

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