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寒い! 地球は小氷河期に突入したのか

 ナイアガラの滝が凍ったのは2013年末だった。すごいことだなぁ、とニュースをみて思ったが、まだ、よそ事だった。しかし、年が明け、日本列島も大変なことになった。

 東京都八王子市に住む友人によると、約60センチも積もり玄関から出られなかったという。群馬県前橋市のニュース映像をみるとまるで豪雪地帯で、これまでの観測史上最高値の倍も積もった。143センチの積雪を記録した山梨県富士河口湖町をはじめ、各地で孤立した人びとが後を絶たなかった。

 「地球は温暖化しているというのに、この大寒波はおかしいんじゃないか」。北米でもヨーロッパでも日本をふくむ北東アジアでも、素朴な疑問を抱いている人は多いだろう。

 そんな折、ジャーナリスト田中宇氏が、『地球温暖化の終わり』というタイトルのメールマガジンを配信した。こんな書き出しで始まる。

 「昨今の世界的な大寒波の原因について、太陽の活動が劇的に低下していく傾向の始まりであり、世界はこれから17世紀後半に起きたような『小氷河期』になる可能性が高まっているという指摘が、学者の間から出ている」

 このメールマガジンは、毎回、参照した世界各国のニュースサイト記事、動画サイトのURLが出典として張りつけてある。田中氏は、たいてい、世間の常識を超えた大胆な説を展開するので、ほんとかなぁと思う人は出典に直に当たってみるといい。すべて英文ではあるが。

 そこで、最初に出典とされたあるニュース記事を開いてみると、2014年1月19日付けで、「太陽の活動が1世紀ぶりに急低下しており、科学者たちを困惑させ新しい小氷河期のはじまりとなるかもしれない」とある。

 イギリス南部オックスフォード州にある研究所のリチャード・ハリソン所長は、BBC放送にこんなコメントをしている。「私は、30年間、太陽物理学者をしてきたが、こんな状況を一度も見たことがない」「太陽がこんなに不活発になったのは、約100年前以来のことだ」

 太陽は11年周期で黒点の動きなどが変動し、いまは活動のピークにあるというが、そのピークの高さが異様に低いそうだ。

 田中宇氏は、この話をまとめて、「これから太陽の活動が低下していくと、マスコミや政府が喧伝する『地球温暖化』とは逆の『地球寒冷化』『小氷河期』が起こるという分析が出ている」とする。

 アメリカ政府などは、北半球のこの冬の大寒波について、「北極の気流の渦=極渦が引き起こしており、それは地球温暖化のせいによる」と発表している。この「地球が温暖化すると地球は寒冷化する」という、一見、訳の分からない学説を聞いてすぐに納得できる人は、それこそ地球上に何人いるだろうか。

 アメリカ議会はもともと地球温暖化について懐疑派が多かった。その状況でも、オバマ政権は温暖化の元凶とされる二酸化炭素排出を抑制するため、炭素税を導入しようとしている。田中氏は、温暖化キャンペーンは「政治目的の歪曲だろう」とみている。

 そもそも、地球温暖化説はいつはじまったのだろうか。『ナチュラルニュースNatural News』というサイトには、2013年5月26日付けのこんな記事が載っている。「すでに1988年、ジェームズ・ハンセン博士が地球温暖化を声高に主張し、人為的な気候変動ヒステリーの引き金を引いた」

 地球規模で展開されている温暖化防止キャンペーンを、記事は「ヒステリー」と呼んでいる。事実、地球の平均気温は、すでに1997年から横ばい状態がつづいているそうだ。

 田中氏は言う。「政府やマスコミ、学界が喧伝する『地球温暖化人為説』は、恣意性の高いコンピュータモデルしか根拠がなく、科学的に正しい可能性がかなり低い」

 『ナチュラルニュース』の原文をよく読むと、NASAの気候研究部局は、従来、温室効果ガスが地球温暖化の原因としてきた。だが、おなじNASAのラングレー研究センターは、2013年、「温室効果ガスは地球を冷却化している」という最新データの分析結果を発表した。地球の気候のことは、それくらい難しいようだ。

 『小氷河期』と呼ばれた時代は1645年に始まり、ヨーロッパを中心に寒冷化した。バルト海やロンドンのテムズ川が凍結したという。これが長くつづいた。

 1980年代から1996年までに観測された地球の気温上昇いわゆる温暖化は、どう考えればいいのだろう。「地球の気候変動の歴史を見ると、大きな寒冷化が来る前に、小さな温暖化の時期があることが多い。今回もそれだろう」とする研究者もいる。

 田中氏はこう断言する。「もともと地球温暖化問題の本質は、経済が成熟化して環境技術も高いため二酸化炭素などの排出量が減った先進諸国が、これから排出量を増やして経済成長(金儲け)しようとする途上諸国から資金をピンハネするための国際政治詐欺だった」

 “国際政治詐欺”かどうか、ぼくは判断する知識に欠ける。ただ、何であれ一度大キャンペーンが成功すると先入観が固定され、それをひっくり返すのは容易じゃない。

 この7月、8月、猛暑になるにしても、南半球はやはり大寒波がくるのではないか。

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