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私的C級グルメ旅~広島市編~

 B級グルメという言葉が生まれたのは1985年というから、もう30年になる。だが、B-1グランプリで優勝した品をいくつか試しても、あまり美味いと感じたことがない。

 高くて美味いA級グルメには、やはり勝てない。いまB級グルメと呼んでいるものは、縁日の屋台で食べるのとおなじで、「風情」「雰囲気」が加わらなければ舌が満足しない。B-1グランプリが大変な人出になるのは、雰囲気で食べたいからだろう。

 個人的には、C級グルメを探求している。この晩夏、広島市へ行く用事があり、どうせなら、まず昼飯にご当地にしかないものを食べてみようと、ネットで検索した。

 すると、広島と言えば「汁なし坦々面」というのが相場とわかった。いまどきのことだから、汁なし坦々面の店のランキングがずらっと出てきた。1番の店はちょっとはずして、2番人気店の詳細をみると、「きさく」という店名だった。きさが食べるのだからきさくはきさくなイメージでいいだろう、と安易にその店にすることにした。

 さて、運転はいつものようにお抱えのかみさんに任せ、カーナビに店の電話番号を入力すると、所要時間が2時間27分、到着予定時刻は午前11時34分と表示された。人気店だから、正午を回ると混むだろう。ちょうどいい時間だ。

 「きさく」は、住宅街の角にあった。店のイメージカラーは臙脂で、ずばり「汁なし坦々面」の看板がかかっている。「まぜればまぜるほどおいしいよー! 汁なし坦々面530円、大盛り600円 *冷たいのもあります」と、外壁にどーんと表示されている。や、安い!東京あたりで坦々面などの人気店と言えば、900円以上はする。そこが地方のご当地限定C級グルメのいいところだ。

 店はちょっと暗く、早くも順番待ちの人が何人か立っていた。カウンターのみで15席しかない。どこが行列の最後かわからない。まごついていると、誰かが自販機で食券を買うのだと教えてくれた。

 夕食は、広島B級グルメ(?)のお好み焼きを食べる予定なので、大盛りは避けふつう盛り2枚にした。少し落ち着くと、店内のどの辺りで立っていればいいか、なんとなくわかった。

 カウンターで食べていた太めの青年が、席を立って、店内のコーナーにある大きな炊飯ジャーのところに来た。そこに置いてあるご飯茶碗に好きなだけライスを盛って、席に帰る。どうやら、ご飯は食べ放題のようだ。それで500円。や、安い!

 心配なのは、愛車のBちゃんだった。専用駐車場はないらしく、店近くに路上駐車しておいたので、チェックされていないか、いったん外へ出て確認した。

 15分くらい待って、カウンターの隅の席がふたつ空いた。やっとC級グルメにありつける。もっとも、C級グルメなどと呼ぶと、店長は怒るかもしれないが。

 食券を店員に渡しカウンターをみると、蘊蓄を書いた紙がある。中華の辛口料理で有名な四川の系統らしく、「四川七味」についての説明がある。酸、辛、痺れ、苦、甘、香、塩の7つだそうだ。四川料理はさらに「麻(マー)」つまり山椒の辛さが加わるという。この麻は、和食にはない独特の味とされている。

 汁なし坦々面の食べ方としては、30回以上ぐちゃぐちゃに混ぜる「鬼まぜ」という作法があるそうだ。その説明書きには「おしい!広島県」というキャッチコピーが書かれている。あとで知ったのだが、これは県の公式キャッチコピーで、「おいしい」の一歩手前を表すそうだ。その謙虚さは、「日本で47番目に有名な県」とかいう島根県の自虐コピーにもあるように、中国地方の控えめな地域性がにじみ出ている。

 やっと出てきた坦々面は、思ったよりずっと量が少ない。これなら大盛りにしておけばよかったな、と思いながら、鬼まぜとやらに挑戦した。スープはなく麺の上にスパイスがこってりかけられているから、よくまぜなきゃならないのは当然だった。

 一口食べると、味が濃い。これだけで食べるのはちょっときつい。店内を見渡すと、20代、30代が多く、中高年は数えるほどしかいない。やはり、血圧を気にするような年代向きの食事ではないようだ。

 この味の濃さなら、ライスが合う。自分でコーナーから盛ってきて、坦々面をおかずにしてご飯を食べた。食券を渡したとき、店員さんが「辛いの大丈夫ですか?」と聞いてきたが、たしかに、人によっては無理かもしれなかった。頼めばマイルド味もあった。

 でも、かみさんもぼくも、インドで激辛には慣れている。これ以上辛かったら味もわからないな、という感じで食べていった。

 カウンターの中をみると、何を入れるのかわからないポリバケツが何個かと、長年使ったあとがない古ぼけたミキサーや段ボールなどがテーブルの上に雑然と、ほこりをかぶって積まれている。保健所の衛生基準を満たしそうにない。

 これだけ清潔感に欠ける飲食店も珍しいが、それも隠し味なのだろう。やがて正午を過ぎ、お客さんは次々とやってくる。

 「なんで、きさくなの?」と聞いたら、店員さんは「適当なネーミングです」と言った。

 毎週食べるようなものではないだろうが、ある日突然食べたくなる。そんな味だった。もっとも、かみさんの口には合わなかったそうだが。

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