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フェイスブックは、おじさんのツールで結構

 日本の子どもたちのあいだで、スマートフォンの利用が急速に広まっているらしい。テレビに出ていた元刑事によると、女子中学生がスマホの出会い系サイトで悪い奴と知り合い、覚醒剤中毒にさせられ売春を強要される事件まで起きているという。

 子どもにスマホをせがまれた親は、その危険性も正しい使い方も知らないまま買い与え、気づいたときには家庭崩壊が待っている。

 ITが急速に発展するなか、スマホは先端を走る文明の利器だ。しかし、便利なものほど落とし穴があるという真実を、女子中学生のシャブ中事件は物語っている。

 ぼくはスマホデビューして1年半ほどになるが、これほど便利なものはそうはない。手のひらサイズのコンピューターであり、電話、写メ機能はもちろん、ニュースやメールのチェック、検索、音声録音などで重宝している。オジサンだからゲームをしたことはないが。

 なかでも使いはじめて良かったと思うのは、いわゆるSNSの機能だ。出雲へUターンして東京にいる子どもたちと“遠距離家族”になったが、フェイスブックのおかげで、近くに住んでいたときよりよほど詳しくお互いの近況がわかる。

 自分の子どもたちだけでなく、その友だちや甥姪の全員とも「友達」としてつながっている。だから、地元出雲の親戚が何をしているかは知らなくても、海外をふくめた「友達」の動向を詳しくつかむことができる。文明の利器がもたらす功罪の功だ。

 たとえば、日本海の幸に恵まれた出雲に住んでいると、知人からアワビやサザエをもらうことがある。それをスマホでまず撮影をする。フェイスブックで公開することが前提の画像だから、構図や光線に凝り、気合いを入れてシャッターボタンを押す。そして、載せる文面を考える。読んでくれるひとに「美味そうっ!」と思わせるには、画像と文章両方の工夫がいる。

 フェイスブックにはまるひとが多い秘密は、「いいね」の機能だろう。「いいね」をたくさんもらうと、今度は何をアップロードしようかと意欲がわく。“ちょっとウケル快感”とでも呼べばいいのか。少し古い記事でもさかのぼって「いいね」をつけることができるから、フェイスブックは時空を超えてウケルことができる。

 フェイスブックに登録はしたが、実際には活用していない友人知人は結構いる。ぼくの周囲にいるひとたちは中高年がほとんどで、ITの利器を使いこなせない面々が少なくない。でも、いったん覚えればそう複雑な操作をする必要はない。操作法以上のハードルは、文章力のほうかもしれない。いい画像が撮れても、それにつける文章が短くうまくまとめられないとおっくうになってしまうのだろう。

 東京都国立市に住んでいる息子(27)は、この1年で「友達」の数が約30人から500人になったという。この前、こんな投稿をしていた。

 <ネパール人の友人から突然、「ティカ(眉間に付ける赤丸)ハ日本語デ何テ言イマスカ」とあやうい日本語できかれ、『そもそも日本にそれを付ける風習なんてないわい!』と心の中で思ったのです。

 が、その場で「ティカ 眉間」と検索した結果、「ティカ」のほかに「ビンディ」という言い方があることはわかりました。あたりまえですが、日本語では「赤丸」というほかありません。

 「ビンディとも言うらしいよ」と伝えると「ビンディ? ナンデスカ」と。「知らんのかい!」。ネパールの人が知らないなら、とくに知識のない日本人はもっと知らないってば、とまた心の中でつぶやくのです。

 ヒンディー語での書き方も載っていたため、見せてあげるとメモしていました。ネパール人に、現地の言葉をヒンディー語で紹介しているヒンディー語のわからない日本人、という意味不明な構図ができあがった瞬間です>

 ビンディというのは、インド文化圏の女性が額の中央につけている赤の点のことだ。仏陀の白毫、シヴァ神の第3の目を模したものだと聞いたことがあるが、ウィキペディア日本語版をみるかぎりそれらとの「直接の関係は薄い」とされている。でも、ぼくのインド体験から言って、無関係とは思えない。最上位カーストの僧職なども額に赤い印をつけている。「原則として既婚で、なおかつ夫が存命中のヒンドゥー教徒の女性がつけるものである」というウィキペディアの説明は、たぶん合っているが。

 ところで、昭和女子大学の保田隆明准教授(39)は、経済情報サイト「ザイ・オンライン」に寄稿したコラムでこんなことを書いている。<女子学生が「え?だって、Facebookってオジサンがやるものでしょ?」などと話しているのを耳にして、「私(アラフォー男)の背中をズギューンと射抜いた」ほどのショックを受けた>

 いまの女子学生は、主にLINEを使うのだという。でも保田先生は、学生が学んだことを放課後に書き込む場として、すぐ発言が流れてしまうLINEではなく、日時ごとに管理できるFacebookの「グループ」を活用しているそうだ。

 ぼくは女子学生とは逆に、LINEは主に無料の通話またはメール用に使い、フェイスブックをメインとしている。そうです、へんなオジサンです、から。

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