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スカイマークよ、ふざけるな!

 出雲と東京をどう往復するか。仕事やプライベートで利用する身としては、コストも考えながら悩むところだ。若いひとたちは、けっこう高速夜行バスを使っているようだが、この年でしかも腰痛の持病があるから、その選択肢はない。出雲ー東京を走る夜行のサンライズ出雲なら少しはましかもしれない。とはいえ、婚活の出雲ブームもあって簡単に切符が取れるわけでもない。

 出雲ー羽田を日に6往復するJALを利用するのが、もっとも一般的ではあろう。わが家から出雲縁結び空港までは、車で20分ほどだから便利ではある。だが、一番の問題はコストだ。往復割引で60,380円かかる。かつて東京近郊に住んでいたころなら、親の介護帰省割引が使えた。事前に介護保険証のコピーと親子関係を証明する戸籍謄本を取っておいて、当日空港に持参すれば、往復42,880円で飛べた。なんと21,400円も安くなる。でも、出雲にUターンしてきたいま、その介護割引は使えない。

 そこで頭をひねって考えたのが、となりの鳥取県にある米子鬼太郎空港を発着するスカイマークを使う方法だった。2014年の時点では、羽田便は日に2本あった。わが家から米子空港まで車で1時間半ほどかかるが、スカイマークはなんと言っても安い。往復で41,000円、3日前特割なら31,000円だった。第1便は午前7時35分発で羽田に午前10時25分につく。東京での予定を昼以降に入れれば、一日を有効に使えた。

 その方法で、2015年2月7日の便をかみさんとふたり分取っていた。帰りは11日にした。

 ところが、とんでもないことが起きた。スカイマークは、1月29日に突然、「4路線を撤退し12路線を減便する」と記者会見で発表した。なんと、2月1日からそれを実施するというのだ。わずか3日しかない。ネットニュースでそれを読んだが、具体的にどの便がなくなり、どの路線が減るのかよくわからなかった。

 翌朝、山陰中央新報の記事によって、やっと詳細がわかった。なんと、米子ー羽田便は第1便がなくなり、午後5時25分発で羽田午後8時15分着だけになるというのだ。しかも、神戸乗り継ぎだった。

 すでに予約した便をキャンセルし、新たに予約を入れなければならない。だが、便の変更を受け付けるはずのインフォメーションセンターは、いくら電話しても話中だった。それは当然だろう。全国の利用者があわてて電話をかけているはずだ。かみさんに頼んで、電話をかけつづけてもらったが、つながる様子はない。

 そこで、ちょっと頭を冷やして、なんとかいい方法はないか考えてみた。ネットでスカイマークのホームページを開くと、予約はできそうだ。まず、ぼくたちが乗るべき往復の便を予約したら、あと数席だけ残っていて確保できた。いつもはそんなに混んでいないが、2便が1便に減るのだから席が埋まるのは当たり前だった。

 突然の記者会見に、みんな「ふざけるな!」とあせったことだろう。だから、ぎりぎりの機体数で運航していていきなりのキャンセルがありうる、スカイマークのような安い航空会社を使わないサラリーマンは少なくない。

 往復を確保してから、前に予約しすでにクレジットカードで購入していたチケットを、ネットでキャンセルした。「キャンセル料はいただきません」という表示が出た。そんなの当然だ。一方的な都合で減便されるのだから、キャンセル料なんか取れるはずもない。もし、取るなんてことになったら、火に油を注ぐだろう。

 それにしても、なぜ、こんな事態になったか。すべては、バカ社長の強引な事業拡大路線が招いたのだ。その恐れは以前から指摘されていた。2004年にIT企業創業者からスカイマークのトップになった人物が、LCC(格安航空会社)の相次ぐ参入で経営が悪化しつつあるのに、「差別化を図る」と座席の広い中型機に切り替えてドツボにはまった。

 さらに、国際線へ参入しようとエアバス社の超大型機を6機も購入する無謀な策に打って出たが、支払いのメドが立たなくなり、7億ドルもの違約金を請求されるはめになった。日本円で830億円という巨費だ。この額はスカイマークの年間売上高の2倍にものぼる。 スカイマークは、東京地裁に民事再生法の適用を申請し受理され、再建策が模索されている。バカ社長のおかげで、こっちまで振り回されることになってしまった。

 夜8時過ぎに羽田へ着く便だから、その日は泊まるだけになる。これでサラリーマンはますます敬遠するだろう。それにも増して、神戸での乗り継ぎは面倒臭かった。西日本各地の空港から神戸に便を集め、乗客の数を確保して羽田へ運ぶ方針のようだ。

 神戸空港そのものが、いわくつきの空港だった。大阪の伊丹に空港があり、関西空港もできたなかで、神戸にもうひとつあっても誰がどれだけ利用するか。反対運動には、作家の田中康夫さんなども加わっていたから、ぼくも少しはいきさつを知っていた。

 山陰では、スカイマークの半券を居酒屋に持っていくと、地酒や焼酎を1杯サービスしてくれるところもあるらしい。でも、焼け石に水の感がある。

 その米子ー神戸ー羽田便さえ、報道によれば風前の灯らしい。JALを使ったらふたりで12万円以上もかかる(~_~;)。こうなったら、スカイマークにガンバってもらうしかない。

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