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県民共済はオレオレ詐欺か!

 少年のころから、金融機関というものがどうにもきらいだった。たとえば、銀行はひとからお金を集め、それを企業や個人に貸して金利を得るのが本業だ。お金が必要でどうしても借りたいというひとは世の中にたくさんいるから、銀行にはそれなりの社会的使命と義務があると言えるだろう。

 ところが、銀行には「貸し剥がし」というとんでもない行為がある。すでに融資している資金を期限前に積極的に回収することをいう。「積極的に回収する」と言えば聞こえはいいが、本質はやくざの強引な取り立てとおなじようなものだと思う。すでに貸し付けているお金を剥がすので「貸し剥がし」なのだ。

 銀行にとっては、貸し渋りは融資を増やさないことであり、貸し剥がしは融資を減らすことを意味する。これらによって銀行の融資残高を減らし、総資産を減少させるのが狙いだ。総資産が減った銀行は、自己資本比率が上がり、経営が安定化するとされる。

 言葉を変えれば、銀行の自己保身だ。「銀行の社会的使命に立ち返れば、こんなことをしていいのか」と言いたくなる。不況で運転資金が必要なときにかぎって貸し剥がしが行われる。零細企業のタコ社長などにとっては、悪魔の言葉に聞こえるだろう。

 保険もきらいな業界のひとつだ。一家の大黒柱を病気や事故で失う可能性を怖れ、安くはない掛け金を毎月、毎月払い込むのが生命保険だ。自動車保険も万一、事故を起こしたり事故に遭ったりすることを考えて契約する。一家に十分な資産があれば、保険などに入る必要はない。

 保険会社は、そうやって庶民から集めた資金を投資で運用して巨額を稼いでいる。保険会社が倒産したという話を聞いたことがないが、それだけ旨い汁を吸える業界なのだろう。

 不本意ながらいくつかの保険には万一を想定し加入しているものの、ふり返ると、銀行からお金を借りたことはない。つまり、ぼくはローン人生とは無縁だった。これからも、おそらくそうだろう。慇懃無礼な銀行員に頭を下げて金を借りるなどしたくはなかった。

 こんなぼくだから、若いころ就職活動に当たっても金融機関は真っ先に候補から消した。他人の金を右から左に動かしてボロ儲けをしている企業など、絶対に入りたくはなかった。

 時は過ぎ、特派員勤務から日本に帰って埼玉都民となった。おなじ保険でも県民共済は保障額の割に実質的な掛け金が少なくてすむことを知り、家族で医療・生命共済に加入した。いまの保障額は満60~65歳で入院1日5000円、交通事故など不慮の事故による死亡は500万円、病気死亡は200万円だ。死亡より入院を重視して加入した。

 そして、出雲へUターンするとき、県外に引っ越しても埼玉県民共済には加入しつづけられるか確認したら、OKということだった。

 出雲の実家では親が加入しているJAの火災保険が年額15万円以上と、異様に高かった。住宅焼失の場合3000万円と家財分800万円が保障されるだけだが、父が亡くなった際、他社の火災保険の条件を深く調べることもなく継続手続きをした。

 ところが最近、新聞の折り込みに島根県民共済の火災保険のチラシが入っていて、わが家の場合を試算すると、年に1万9200円を払うだけで住宅焼失の場合4000万円と家財分800万円が出る。

 あまりの差に唖然としJA支店へ行って聞くと、JAは積み立て併用式で30年満期の際、300万円が返ってくるという。その満期は2036年とずいぶん先だった。高いうえ割に合わないから解約することにし、島根県民共済の火災保険を郵送で申し込んだ。

 それから2、3日後、島根県民共済の中年のおじさんから電話がきた。「契約の確認をしたい」と言うのはいいとしても、つづいて「埼玉県民共済で医療・生命共済に加入しておられますが、こちらにイカン手続きをしていただけますか」と言う。

 「は?イカンというのはどういう意味ですか?」「埼玉の共済事務局に電話して島根の共済に移管してください」「生命保険と火災保険の加入している県がちがうとだめですか?」「いや、そういうことはありませんが、島根に一本化しておかれてはどうかと思いまして」

 ぼくは釈然としなかったから、突っ込んで聞いた。「生命保険は埼玉、火災保険は島根でもいいんですね?じゃあ、医療・生命保険の割り戻し金や保障額は埼玉より島根のほうがいいんですか?」

 すると、おじさんは困ったように言った。「いや、じつは埼玉のほうがいいです」。つまり、埼玉から島根に移管するメリットはなくデメリットだけがあるわけだ!

 後刻、ネットで割り戻し金の前年度実績を調べたら埼玉45.30%、島根31.14%と圧倒的に埼玉のほうが有利だった。埼玉は全国1の若者県らしいから、死亡や医療で保険を使うひとが全国有数の高齢県・島根よりうんと少ないのだろう。

 おそらくそうだろうと思い、詳しく調べたわけではないが、Uターンするときに埼玉共済を継続した。火災保険の割り戻し金比率は、全国一律なのか両県いっしょだった。

 共済は営利機関ではなく加入者の福利厚生のためにあるはずだ。なのに今回の話は、一種のオレオレ詐欺みたいじゃないか。お年寄りだったら、たぶん言われるままにイカンするだろう。ぼくの金融機関ぎらいはいっそう強くなった。

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コメント

当方も苦い経験があります。
解約したはずなのにいつまでも引き落としがあるので確認したところ解約の書類が届いていない言われ、再度数か月経った後に解約手続きをさせられました。
ところが確定申告の際に計算すると払込証明書の金額が実際に振り込んだ金額より少ないんです。もちろん割戻金の計算は入れています。

どう考えても解約していたのに引き落としされていたとしか思えない状況です。

私だけでなく多くの方が同じようなことでひっかっかている可能性もあります。

おっしゃる通りの詐欺会社かもしれません。
これでは保証も信用できませんね。

投稿: | 2017年3月 4日 (土) 22時55分

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