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夫婦は“戦友”であれ

 ニューデリーに住んでいたとき、『ピーコック』というサークルに参加していた。30歳前後の駐在員や日本人学校の教師などの、約20人の集まりだった。月一回ゴルフコンペをし、その夕方、メンバーの家持ち回りで表彰式兼ホームパーティを開いていた。

 一部に独身のメンバーもいたがほとんどは夫婦単位で、昼間ゴルフをしない夫人方もパーティには顔を出して懇親した。みんな日本に帰国して20年以上経つが、年に1回は東京に集まって旧交を温めている。

 そこで特筆すべきなのは、離婚したカップルはひと組もなくそれぞれ夫婦仲がいいという事実だ。よく、新婚時代に共に苦労した夫婦は別れない、という。それをみな地でいっているわけだ。

 ニューデリーの治安は意外に良かったが、衛生面や医療の事情はひどく、デング熱や肝炎などの恐れがあった。食料事情も決して良くはないから、みんなシンガポールやバンコクへ行ったときには、日本食とくに食パンや生卵を大量に買い込み、親しいひとにお土産として配るのが慣習のようになっていた。

 ぼくも肝炎に罹って入院したし、ピーコック仲間のSさんも肝炎で倒れた。そのとき、Sさんの奥さんがわが家へ病気のことや食事で気をつけることを聞きにきたので、知っている限りのことを教えてあげた。

 発展途上国で暮らしたことのある日本人は、たいてい同じような体験をしているはずだ。正確な統計はないだろうが、途上国で暮らした夫婦は別れる確率がそれ以外のひとより格段に低いはずだ。ひと言で言えば、夫婦が“戦友”みたいになるのだ。まず夫婦が助け合い、次に同胞が助け合わないと生きていけない。

 インターネットメディア「暮らしニスタ」編集部が20~40歳代の既婚女性100人を対象に行ったアンケートが興味深かった。このメディアは「素敵なアイデアを持った主婦の方々がアイデアを持ち寄り、情報をシェアするサイト」なのだそうだ。

 【質問1】結婚してからも“恋人気分”を感じることがありますか?

 これに65人が「はい」と答えた。日本人夫婦の3分の1は離婚している。夫婦がラブラブなのは新婚2~3年が限度という俗説もあるが、このアンケートをみる限り、3分の2はかなり時間が経っても仲が良さそうだ。ちょっと意外ではある。

 では、どんなときに“恋人気分”を感じ、具体的にどのようにしているのだろうか。その質問に対して、多かった答えはこうだったそうだ。

 ■お休みの日にちゃんとおしゃれをして一緒に出かける!

 「恋人気分を味わうには、なるべくおしゃれをして、どこでもいいのでデートや散歩に行くことです」(40代/専業主婦)。「主人が夜勤の仕事なので、子どもが学校へ行ったあとのお昼の間にデートをします。待ち合わせをするのは恋人時代を思い出してなかなか楽しいですよ!」(30代/パート)。

 わが夫婦はピーコックのメンバーのなかでもとくに仲がいいほうらしく、結婚して29年になるが1度もけんかをしたことがない。よく「何でけんかにならないの?」と聞かれるけど、たぶんけんかをするネタがないのだと思う。

 かみさんは、とにかく夫といっしょにいることが好きなひとで、ふだんの買い物などでも時間がある限りつきあうことにしている。デートと言うほど改まったものではないが、いっしょにスーパーの食品売り場を歩きながら夕食のメニューを考えたりする。それが、自然にコミュニケーションとなっているのだろう。

 ■スキンシップを積極的にとる!

 「出かけるときは必ず手をつなぐようにしています。主人は嫌がるけど、こうすると初心にかえれます」(20代/専業主婦)。いま住んでいる出雲は田舎だから、さすがに手をつないで歩くことはしないが、海外や東京へ行ったときなどかみさんのほうからつないでくることもある。

 「2人でのお出かけは以前と変わらずですが、『行ってきます』のチューも欠かしません!」(20代/専業主婦)「私は付き合っていたときよりも結婚後の方が、主人のことが好きです」(30代/パート)。こういう感覚はよく理解できる。

 ■感謝の気持ちはきちんと言葉で伝える!

 「感謝の気持ちを忘れないで、それをきちんと言葉にします。そうすれば相手も同じように返してくれるのでいつまでも仲良くいられると思います」(40代/派遣社員)。

 これは必須の条件だとぼくも思う。乾いた洗濯物をたたむのはぼくの仕事になっており、かみさんは必ず「ありがとう」と言ってくれる。かみさんの手料理を食べるときも、旨ければ必ず言葉に出してほめ、まずいときは「○○が足らない」とか「○○が強すぎる」と言うことにしている。料理をする身で考えれば、反応がなく黙って食べられるのは最悪だと思う。

 「“恋人気分”を持続させるためには適度な刺激が必要不可欠なよう」と、暮らしニスタ編集部はまとめている。夫婦生活が破綻した友人知人もいるが、うまくつづけるためには“共通の敵”がいるのも効果的だろう。苛酷なインド生活みたいな強敵なら言うことはない。

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