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あの韓国メディアが、手のひらを返しはじめた

 NHKのBS1で、サッカー皇后杯3回戦のAC長野パルセイロ(なでしこリーグ1部)と日体大女子サッカー部(同2部)の試合を中継していた。かみさんは長野市の生まれ育ちで、長野パルセイロの男女チームを応援している。

 好ゲームで延長戦の末、長野が2:1で逆転勝ちをした。かみさんと観ていて、ほんとに面白かった。日本の女子サッカーは、底辺が広がった上にここまでレベルも高くなったのかと感心した。

 そうすると、どうしても、お隣韓国のことを思い出してしまう。かの国では、スポーツの裾野を広げようという発想も政策もなく、小学生で運動神経がいい子だけを選んで、ひとつのスポーツに集中するコースを歩ませる。日本には全国4000校以上に野球部があるが、韓国では50数校しかない。それでも、WBCなどでは強いものの、大半の子どもたちは、スポーツの楽しさや青春を賭けて勝負に挑む〈汗と涙の体験〉も知らないまま、大人になるわけだ。韓国女子サッカーの事情もだいたいおなじだろう。

 スポーツエリートとしての道を歩み、世界で活躍できればいい。だが、怪我などでスポーツを断念するしかなくなった若者は、一般社会で生きて行ける学業や常識に欠け、一生を棒に振ることになると、ある有名バレーボール選手が言っていた。

 この一点集中方式は、スポーツにかぎらない。政治でも大統領に強大な権力が集中している。その権力が国民のため公平に行使されていればいいが、そうではなくなったときがもろい。  いま、朴槿恵大統領の親友とされる女性が国政に介入し、さまざまな利権を漁っていた疑惑が持ち上がり、大騒ぎになっている。一点集中方式の弱点が、最悪の形で出てしまった。

 さらに、韓国人の自信とプライドをずたずたにする不祥事も起きた。日本のトヨタにも匹敵する韓国経済界の雄・サムスン電子が、考えられないほどの窮地におちいっている。まず、新型スマートフォン「ギャラクシーノート7」の発火・爆発トラブルが問題となり、回収と発売停止を余儀なくされた。

 さらに、アメリカで販売している洗濯機の一部が、洗濯中に爆発してふたが吹き飛びけがをするおそれがあるとして、リコールすると発表した。約730件のトラブルが報告され、9人があごなどにけがをしたという。リコールの対象となるのは、2011年3月以降に製造された34のモデルの洗濯機で、およそ280万台にのぼるという。

 現代自動車の業績もひどいとされる。政治も経済もがたがたの韓国で、いま人びとは何を考えているだろうかと思っていたら、産経新聞電子版が興味深い記事を載せていた。韓国メディアが、安倍晋三内閣の「アベノミクス」を称賛しはじめたというのだ。

 韓国のメディアは、これまで首相を「タカ派」と呼ぶのはまだいいとして、「極右」「軍国主義者」などとさんざんののしってきた。  ところが、評価を一変させ、返す刀で「長引く不況から抜け出せない自国の経済政策に批判の矛先を向けている」というのだ。

 中央日報日本語版コラムのタイトルはズバリこうだった。

 「安倍首相の経済リーダーシップがうらやましい」

 日本語版は、韓国語版から日本に関係のある記事をピックアップし翻訳したものだ。

 反日で見栄っぱりの韓国人ジャーナリストが、ここまで率直に日本の保守政治家を称賛した例を、ぼくは知らない。

 コラムは第二次安倍内閣が実施した金融緩和、財政出動、成長戦略の3本の矢による経済政策について、「デフレからは抜け出せていない」としながらも、「アベノミクスがなければ日本経済の沈滞はさらに深刻だっただろう」と推測する。そして「安倍首相の指揮の下、日本経済はあちこちで閉塞感が消え、活力を取り戻している」とした。

 さらに、安倍政権が進める農業改革、外国人労働者受け入れ策、子育て支援を中心とした少子化対策、インバウンド消費拡大を狙う外国人旅行者受け入れ策などを積極的に評価し、一方で、ロシアとの北方領土返還交渉にも触れ、「日露の経済協力が進めば、日本企業は新たな投資先を開拓できる」と分析した。

 朝鮮日報日本語版も「赤信号の韓国経済、政府は非常対策委を設置せよ」と題した社説で、韓国経済は危機的な状況にあるとした上で、「日本は20年間の長期不況の泥沼を脱し、活力を取り戻した。これも安倍首相の強く一貫したリーダーシップのおかげだ」と指摘した。  朝鮮日報は、別の日にも、「経済と社会の活力は、わずか数年で韓国が日本に逆転された。韓国に最も必要とされているのは、まさにこうしたリーダーシップだ」と書いた。

 ついこのあいだまで、日米を無視し中国にすり寄っていたのは何だったのか。ここまで手のひら返しをされると、あきれるほかはない。

 反安倍の朝日新聞は、こういう記事を絶対に載せない。いかに安倍首相が内外で高く評価されているのか、なぜ内閣支持率が6割を超すほど高いのか、朝日しか読まない読者は決してわからないだろう。

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